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震災直後の出産   

昨年の1月17日に別ブログに書いたお話ですが・・
再度こちらにも載せておきます。


震災の日
私はあのとき、ちょうど臨月、それも予定日を一週間以上もオーバーしておなかはパンパンでした・・
地震の揺れで張り出したおなかをさすりつつ、
中央区のかかりつけ産婦人科に電話すると、その時はちゃんと通じました。
でも当直ナースから
「カルテも何もかも散乱してしまって・・できればどこか病院を自力で探してください!!」
緊張感のある声でそう告げられ、
また、地元ラジオ局からの生々しい長田火災と被害を告げる様子に驚きつつ、なんとか北区の病院に入院することができました。
その病院もライフラインは復旧できず、ガスも水も止まった中での出産となりました。
でも、とにかく産む場所があるだけで、ありがたかった・・
 当時、マタニティー雑誌のママ記者などをしていて、理想の出産スタイルをいろいろ考えて自然分娩希望だった私でしたが、陣痛促進剤を使った計画分娩に変更しました。
ライフラインが止まり、交通事情が悪い中、緊急時に対応できない夜中の分娩は難しかったからです。
震災の翌日18日の午前・・無事出産。
私以外になんと、6人ほどが出産しました。
みんなよそからここへ移ってきた人たちです。
 お湯が沸かせないので、産湯はなく、ガーゼで拭いただけでしたので、生まれた息子は頭に血痕がついた、ちょっと痛々しい感じでしたが、何はともあれ、身が二つになってホッとしたのを覚えています。
 余震や火災や・・・とにかく何かあっても、子供抱いて走って逃げることができるからね・・・

 さて、その晩、だんだん状況が分かってくるにつれ、沢山の方が昨日の地震で亡くなったこと、
若い頃から親しんできた三宮や元町が壊滅的な被害にあったこと・・などを知りました。
心細くて、どうしようもなく、落ち着かないまま、ベッドに横になっていると、病棟のずっと向こうから歌声が聞こえてきました。

賛美歌でした。

キリスト教系列のその病院は、もともと有志によるコーラス隊があったそうで、その人たちがローソクを持って、各病棟を回っていたのでした。
不思議な感覚でした・・
今まで考えたことなかったけど、歌が心を「癒してくれる」とはこういうコトなのかな?そう思いました。

一緒にがんばろう・・うん、がんばろうね・・
そんな無言のやりとりをしたような・・
震災のあとの忘れられない思い出です。

 どこかで大きな地震があるたびに思います・・

あの被害を受けた街のどこかにいる
おなかの大きいおかあさんたち、大丈夫かな?
ちゃんと逃げられるかな?
生まれたての赤ちゃん・・大丈夫かな?
おむつやミルクちゃんと手に入るのかな?


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by kumonokaidan | 2012-01-17 07:17 | とりとめもなく・・

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